Monday, April 25, 2011

M4Mって何ですか。

ランナーやトライアスリートのみなさん、
沢山レースを走るとメダルが集まりませんか。

私はアメリカに住んでいるのですけど、
ハーフマラソン以上になると
ステキな完走メダルをいただくことができます。

3年ぐらい前のある日、
アメリカでメジャーな
ランニング雑誌のRunner's World に、
インディアナポリスの子供病院の
お医者さん(ランナーさん)が、
マラソンの完走メダルを集めて、
重度の病気の子供に病院で
手渡している、という記事を読みました。
(写真は全て、M4Mフェースブックウェブサイトより)

記事に興味はあったけど、結局そのまま読んだだけで数年が過ぎました。

それが、日本にいらっしゃるある方のブログがきっかけで、
この方の沢山あるメダルをこのインディアナポリスのお医者さんに
寄付出来ないかしら、と思い、勇気を出して連絡を入れてみたら、
「ぜひ、頂きたい」とのお返事が。



同時に、この方の所属する湘南ゆるゆるRCを通じて、
ご縁がある方からの賛同が集まり、MMナイトランの方々からも
善意を頂き、201個ものメダルが集まる結果となりました。


こちらの方では、受け入れ先が決まるまで、取りあえず、
インディアナポリスの本部の病院に送る手はずに
なっていたんですけど、色々と時間が経ち、その間にご縁があって、
私の地元のフィラデルフィア子供病院で、ぜひとも、
これらの日本のメダルを頂きたいという申し出がありました。

フィラデルフィア子供病院では、骨髄移植の子供たちに
手術が終わった後に、「がんばったね」と送られるそうです。

私自身も、これまで20個ぐらいのメダルを地元の病院に送りました。

湘南ゆるゆるRCや、MMナイトランの方では、15kgの重量にもなった
201個のメダルをアメリカに送るためにカンパを募ったり、
送料の負担について一考していただきました。

送って頂いたメダルは、一つ一つに新しいリボンがかけられます。
リボンは一つ$4ですので、この201個のメダルのためには、
こちらでは$800が必要になります。
これは、ボランティアの私達の負担になります。
なので、今、私とフィラデルフィア子供病院のシャランさんとで
リボンを購入する資金集めに走り回っています。

資金集めについては、また別に書きますね。
先に、このメダル集めの話を進めますね。


メダルは、どんなメダルでもいいわけではなく、基準を満たしていることが
要求されます。
基準その1)走ったメダルであること。
大会関係者からの余ったメダルの寄付はダメ。
誰かが、苦労して、汗を流して、
勝ち取ったという念がこもったもののみ。

基準その2)レースの距離は、
子供を励ます意味でも長距離のもの。
長距離というのは、ハーフマラソン以上。
その他、トライアスロンのものでもよい。

基準その3)メダルは、新しいリボンをかけて渡されるので、
リボンを取って、ボランティアの所に、
寄付者の負担で送られること。というものです。


送られる子供の基準は、基本的には、重度の病気の子供。
子供にあげる、と言っても、まず、この趣旨に賛同してくれる病院、
お医者さん、親御さんなど、沢山の方の承認が必要とされます。
そして、病院によって、このような贈り物のルールが違うので、
それに従わなくてはいけません。



例えば、私の関わっているフィラデルフィア
子供病院は、私のような病院外部の
ボランティアやドナーさんが
直接手渡すことを禁止しています。
それから、ここでは、病気の子供の写真を
撮ったりすることも禁止されています。



私のボランティアは「コーディネーター」というもので、
フィラデルフィア子供病院のシャランさんも
「コーディネーター」ですが病院の人なので、
もっと沢山のすることがあります。

シャランさんは、フィラデルフィア子供病院のどこの部署に
メダル寄付が適切か考えて、話をしに行って、次に、
病院内の仕事をしてくれる人をまたまたボランティアとして
探さなくちゃいけないのです。何人かが同意して下さっても、
上の人が、何らかの理由がノーと言うと、
受け入れ先候補として進めて来た話が流れてしまいます。

逆に、上の人が賛同してくれても、私やシャランさんのような
靴を減らして雑務をするボランティアがいなければ、
話は進みません。

なので、「完走メダルを子供にあげよう」という行為にも
沢山の人が関わって、メダルは子供の手に渡ります。



フィラデルフィア子供病院の場合には、
この日本からのメダルの他にも既にアメリカのランナーさんからの
メダルの寄付があります。
私のボランティアは、地元のメダル寄付集めもあります。
友達に口コミで話したり、ランニングストアに「営業」に行って、
ドロップ・ボックスをおかせてもらったり、それを集めて、次に
シャランさんの所に持って行ったりする
一つ一つの作業をしています。

同時に、先ほど書いた、リボンを買うお金のために、
シャランさんと色々と知恵を絞って、
この不景気の中、資金繰りをしています。

私達がボランティアしてる団体は、

Medals 4 Mettle (M4M)
http://www.medals4mettle.org/

という団体で、2006年よりシカゴマラソンの
オフィシャル・チャリティーでもあります。

さて、メダルは、参加している全米各地の子供病院で
闘病中の子供に渡されます。
退院する時に渡されることもあるし、
手術の後に渡されることもあるし、
それは病院によって違います。


しかし、一つ知らされたのは、決して、
みんなが治るわけではないこと。
中には、願い虚しく小さい命を終え、
棺の中に、メダルが入れられるケースもあるそうです。

また、イリノイ支部のケースでは、
毎年、夏に行われている
「子供 がんキャンプ」で屋外の
日帰りキャンプ参加の子供達に
渡されているとのこと。
そして、そのがんの子供の兄弟にも渡されるそうです。

子供の闘病生活を支えるご家族や兄弟の気持ちも
讃えてとのことでした。

なので、もしも、ランナーのみなさん、
トライアスリートのみなさんの中で、
一生懸命に走って
勝ち取ったメダルだけど、
私達に寄付して下さいませんか。

また、ランナーではない方、
特に送るメダルがない方は、
郵送費やリボン代の寄付という形で、
参加していただくことも可能です。

これまでにも、M4Mは、ボランティアさんの個人的なご縁で、
海外の子供病院にメダルを贈ったり、カナダやメキシコなどの
北米の支部はあるのですが、太平洋を越えた日本(アジア)からの
寄付は初めてとのことで非常に喜んで下さっています。

草の根的に、お医者さん個人が始めた活動が、
国際的な友情の証(あかし)になると、おっしゃっていました。

よろしかったら、ぜひ、たった一つであっても、
みなさんがたくさんの人に支えられて得た完走メダルを通して、
闘病の床に伏す子供たちやご家族に笑顔を運びませんか。

今回は、大阪水都ウルトラマラニックが、
日本の大会で初めてM4Mのメダル集めをしてくださいます。
今度は、アメリカのイリノイの地方にある子供病院さんが
日本からのメダルをとても楽しみに待っていらっしゃいます。
どうぞよろしくお願いいたします。